エクサスケールの衝撃

 本のタイトルになっている「エクサ」とは「10の18乗」を意味する単位です。

 この「エクサ」単位の演算でなにができるかと言うと、、実は 今 社会で起きているいろいろな問題を解決することができるんです!!

(「自然災害」「エネルギー問題」「食糧問題」「医療問題」。。。。)

 どういうことかと言うと、、、我々人類が抱えているいろいろな社会的な問題をより速く解決するのには、より大量な情報をより速く処理する演算機能を要する計算処理が必要なのですが、このエクサ級ス-パ-コンピュータ(以下スパコン)を使うことでこれまで十年、数十年といった単位でしか計算ができなかった課題が年単位で計算できる、ということなのです。

 (ちなみに、現在日本で稼働しているスパコンで代表的なものに理化学研究所と富士通が共同で開発したスーパーコンピュータ「京」(けい)がありますが、このスパコンの演算可能単位は10の16乗(京)です。)

 さらに著者は、そういった社会の難しい問題が解決する過程で社会の「富」や「お金の所有」に対する考え方が変革され、ある時点で「エネルギーがフリーになる」「働く必要のない」「人類が不老を得る」そういった社会が訪れると考えています。

 うーん。。。 凄いなぁ 。。。 でもホントに「富」や「所有」の概念がかわるのかなぁ ?? 

 。。。。 でも、どんなに控え目に考えても、未来がこのエクサ級コンピュータでどのようにかわるのかを、かなり鮮明なビジョンを持って論理的、具体的、かつ平易な文章で、しかもかなりの情熱を持って書かれていることに感銘を受けました。

 この筆者、齊藤 元章 氏はスパコン開発者なので、分厚いページボリュームに加えその書かれている内容もひどく専門的かと、危惧してたのですが、全くそんなことはありませんでした。

(後日紹介予定の「ポスト・ヒューマン誕生」(レイ・カーツワイル著)と併せて読めば、さらに興味深く人類の未来を考えることができます。)

 ちなみに私的には「不老」のところのブルック・グリーンバーグ氏のエピソードに感銘を覚えました。(みなさんも感想教えてください。)