超AI時代の生存戦略

   「ポスト・ヒューマン誕生」「ロボットの脅威」等、最近ブログでも紹介しましたが、ロボットやAIが我々の雇用を奪う脅威のある、または、我々と共存する未来にどう生きるべきか? 

         その答え、、とはいかないまでもヒントになりそうな本を読みましたので、紹介します。タイトルもズバリ「超AI時代の生存戦略」。著者は落合陽一氏です。

   まず、落合さんの経歴を紹介します。(弱冠31歳です。)(出版社の本書紹介からそのまま。。)

  1987年生まれ、メディアアーティスト。筑波大学准教授・学長補佐。ピクシーダストテクノロジーズCEO。2015年東京大学大学院学際情報学府博士課程早期修了、博士 (学際情報学)。機械知能と人間知能の連携について波動工学やデジタルファブリケーション技術を用いて探求。2015年より、一般社団法人未踏 理事、一般社団法人バーチャルリアリティコンソーシアム理事。2017年より筑波大学 学長補佐、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授。受賞歴として、IPA認定スーパークリエータ・天才プログラマー (2010年)、ワールドテクノロジーアワード (2015年)、プリアルスエレクトロニカHonorary Mention (2016年)、グッドデザイン賞 (2014年、2015年)、経済産業省Innovative Technologies賞 (2014年、2015年、2016年)、ザンガレンシンポジウム 明日のリーダー200人、ベストナレッジプール40人に選出 (2017年)、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品:アート部門/エンターテイメント部門 (2017年) など。。。

  一般社団法人、博士、教授とか職歴や受賞歴多数あります。その一つ一つがどんなものか? どんな目的で設立されたのか? 詳しくはわかりませんが、それら団体名や賞の名前などから察する限り、(著者が)デジタル系やオンライン系ととても親和性が良いのが分かります。

  それもそのはず、本書(プロローグ)の一番最初の書き出しは「21世紀初頭の10年で人々の生活を変えたものはスマートフォンだ。」といきなりスマホ賛美 (?)から始まります。

  そして、スマートフォンの普及で「人はインターネット上に第二の言論・視聴覚空間を作り、住所を持ち、SNSを生み、社会を形作った。言うなれば人はデジタル空間にもう一度生まれた。」そして、それは「集団への体験共有」から「個人の能力拡張」への大きな舵きりで、このダイナミックな変化は「魔法」という言葉で定義できる、としています。

  (さらに、この変化において)人々は「自分の専門的修練が、コモデティをもたらすインターネットに接続された機械によって飲み込まれていくのではないか? 自分が「特権的に得てきた何か」も「民主化」されてしまうのではないか?」という不安を持つようになる、としています。(みなさんも今までやってた仕事が機械の外注でこれぐらいの金額できますよ、とかネットなんかに出てたら嫌ですよね。。)

  では、落合氏はこれからの時代にどのような生き方を提唱しているのでしょうか?

  著者が提唱している生き方は「ワーク・アズ・ライフ」という生き方です。これは、差別化した人生価値を、仕事と仕事以外の両方で生み出し続ける方法を見つけられたものが生き残る、というものです。 要するに同じ価値観で一斉に「ヨーイ、ドン!」で目標に向かって(脇目も振らず)全力疾走し、早く目標をゲットする、あるいは早くゴールした者が勝つ、という生き方ではなく、一人一人がしっかりした価値観を持ち、仕事と仕事以外を生きる、という人生の「ブルー・オーシャン戦略」(後日紹介予定)っていうんですかね。。(以前、社内でプレゼンやりましたが、「ライフシフト」の人生100年時代に生きて行くのはこんな価値観をもった人々なのかなあ?と妙に納得してしまいました。)

  (要するに、わかりやすい例はSMAPの「世界にひとつだけの花」ですね。)

  今までの会社(日本の組織)での生き方、考え方、価値観とかにこだわらない、というか、別次元というか。。うーん、、ある面、ゲーム感覚でこだわりがないというか、、、 要するに個人個人、それぞれが純粋に楽しいか、楽しくないか? というモーティベ―ションを基準に生きる、っていうことらしいですね。

  正直なところ、本書で著者が展開する「 考え方」や「生き方」をサポートする(著者自身の)人生経験の絶対量が少ないので、いまいち説得力が弱い、という印象を受けます。でも、全体的には大きな方向は間違っていないと思います。

  また、「方法序説」「リヴァイアサン」「シンギュラリティ」「ブルー/レッドオーシャン戦略」、、とか古典書籍や最近の本の単語も出てきていて、読書量もハンパない感じがします。10-20年後には、TVやネットなんかで、AI時代を生き抜く提言をする論客になっている可能大です。これからの落合さんにも期待しましょう!

    (ある意味、映画「ターミネーター」にでてくる未来世界で機械と戦う人類のリーダー、ジョン・コナーを地で行くような方ですね。。ちょっと大げさか。。?)                  

 (ちなみに、お父さんはあのジャーナリストで小説家の落合信彦氏です。直接ご本人の著書を読んでない方も、一昔前、アサヒドライのテレビCMで本人の映像と名前が大きくでていたので、覚えている方も多いと思います。)